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2024.6.25 Research

学術誌「ACS Infectious Diseases」に当社遺伝子データベースを活用した抗菌酵素の開発に関する論文を報告しました

bitBiomeの研究チームより、論文”Uncovering Endolysins against Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Using a Microbial Single-Cell Genome Database“が公開されました。

本研究では微生物シングルセルゲノム解析から得られた大規模なゲノムデータを活用することで新規の抗菌酵素エンドライシンの発見と薬剤耐性菌における有効性を確認しました。
薬剤耐性菌の出現は、世界中で深刻な問題となっています。従来の抗生物質が効かない感染症が増加し、これにより多くの命が危険にさらされています。特に医療の現場では、新しい治療法の開発が急務です。バクテリオファージ由来の酵素であるエンドライシンは、新たなモダリティの抗菌薬として期待されています。
bitBiomeは、微生物のシングルセルゲノムシーケンシングを用いて、新規エンドライシンを発見する手法を確立し、MRSAに対する有効なエンドライシン「bbst1027」を開発しました。このエンドライシンは迅速な殺菌効果を持ち、耐性の発生が見られず、体内での有効性も確認されています。この発見は、抗菌剤開発の新たな道を開き、幅広い細菌に対する治療法の進展に寄与するものです。bitBiomeは、この革新的な研究を通じて、未来の医療に大きく貢献することを目指しています。

<掲載論文>
雑誌名:ACS Infectious Diseases
論文名:Uncovering Endolysins against Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Using a Microbial Single-Cell Genome Database
主な著者(所属):依田卓也(bitBiome)、松橋 歩(bitBiome)、松下 愛(bitBiome)、柴垣 翔平(bitBiome)、笹倉 由貴江(bitBiome)、青木 一晃(bitBiome)、細川正人(bitBiome)、津田 宗一郎(bitBiome)
掲載日:2024年6月21日
DOI: https://doi.org/10.1021/acsinfecdis.4c00039

■bitBiome株式会社 概要
bitBiome株式会社は、世界最大規模の微生物ゲノムデータベース bit-GEMを作り上げ、バイオものづくりに貢献する酵素探索・改変プラットフォームbit-QEDを展開しています。bit-GEMには、従来は解析できなかった微生物の遺伝子情報を正確に読める世界初の「微生物シングルセルゲノミクス技術bit-MAP®」が活用されています。bitBiomeは微生物シングルセルゲノミクス技術と世界最大の微生物ゲノムデータベースをテコに、脱炭素や循環型社会、医療イノベーションへの貢献を通じたバイオエコノミーの実現に貢献していきます。詳細については、https://bitbiome.co.jp/をご覧ください。

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