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2025.5.8 Research

特許取得のお知らせ

bitBiomeは「シングルセルゲノム配列とメタゲノム配列を統合する新規処理法」において、微生物叢からゲノム配列を構築するためのバイオインフォマティクス技術特許を取得しました。本特許を用いることで、培養が困難な微生物の網羅的なゲノム配列を、従来のメタゲノム解析やシングルセルゲノム解析単独よりも高品質に獲得することが可能となります。当社では、本特許を基にしたバイオインフォマティクス解析サービスを『SAG-MAG解析』として展開しています。

【関連サービス】
・微生物シングルセルゲノム解析bit-MAP®
・ショットガンメタゲノム解析
・SAG-MAG解析

【本特許の概要】
 本特許は、腸内などに生息する多様な微生物集団(微生物叢)から単一微生物のゲノム配列を高品質に決定する方法です。
 メタゲノム解析では、微生物叢のDNAを抽出し、網羅的に解析することで微生物叢のDNA配列を一気に決定できますが、様々な微生物の混在DNA配列から、各微生物のゲノム配列を分別再構築する方法に課題がありました。シングルセルゲノム解析では、微生物を1細胞ごとにゲルカプセルに単離してからDNA配列を決定するため、混在DNA配列からのゲノム配列を分別再構築する必要がありません。一方で、DNA配列決定のためには1細胞由来の微量なDNAを増幅する必要があり、そのとき発生するキメラ配列(異なる由来のDNA配列が結合してしまうこと)や増幅バイアスに課題がありました。
 本特許技術は、同一の微生物叢から獲得したサンプルに対して、シングルセルゲノム解析とメタゲノム解析の両方を実施し、そこから得られた解析結果を相互活用することでお互いの欠点を補い、得られるゲノム配列の品質を向上させることを特徴としています。この特許技術により、それぞれの手法単独で得られるゲノム配列よりも高品質なゲノム配列を提供することが可能となります。本特許で構築される高品質ゲノムは、微生物ゲノム全長をカバーし、ゲノム配列の断片化も少なく、他の微生物ゲノムによる汚染も低いため、リファレンスゲノムの構築や生合成遺伝子クラスターの解析、酵素探索用の全長遺伝子データベース構築などに効果を発揮することが期待されます。

詳細は、特許情報プラットフォームの特許番号「7655527」でご照会ください。

bit-MAP®受託サービス