早稲田大学 竹山教授らの研究チームより珊瑚共生細菌から高品質ゲノムを獲得し解析を行った論文”Targeted single-cell genomics reveals novel host adaptation strategies of the symbiotic bacteria Endozoicomonas in Acropora tenuis coral”が「Microbiome」に公開されました。本研究には、微生物シングルセルゲノム解析手法としてSAG-gel法が用いられています。SAG-gel法はbitBiome社のコア技術bit-MAP®にも活用されています。
本研究では、SAG-gel法により、4つの地域の珊瑚から珊瑚共生細菌の主要系統であるEndozoicomonas属細菌の新規ゲノムを新たに7つ獲得しました。各ゲノムを2つの分岐群に分けて比較ゲノム解析を実施した結果、それぞれのゲノムが宿主珊瑚に似た真核生物様遺伝子を有している事が明らかになりました。また2つの分岐群で違った遺伝子群(免疫経路関連遺伝子群・細胞内侵入関連遺伝子群)を有している事が明らかになり、同じ種の珊瑚に共生しているEndozoicomonas属においても共生戦略や機能的な違いを有している事が示唆されました。
<掲載論文>
雑誌名:Microbiome
論文名:Targeted single-cell genomics reveals novel host adaptation strategies of the symbiotic bacteria Endozoicomonas in Acropora tenuis coral
主な著者(所属):井出圭吾(早稲田大学)、西川洋平(早稲田大学)、丸山 徹(早稲田大学)、竹山春子教授(早稲田大学)(敬称略)
掲載日:2022年12月12日
DOI: https://doi.org/10.1186/s40168-022-01395-9
<bitBiome株式会社について>
bitBiome株式会社は、世界最大規模の微生物ゲノムデータベース(bit-GEM)を作り上げ、バイオものづくりに貢献する酵素探索・改変プラットフォームを展開しています。bit-GEMには、従来は解析できなかった微生物の遺伝子情報を正確に読める世界初の「微生物シングルセルゲノミクス技術bit-MAP®」が活用されています。
bitBiomeは微生物シングルセルゲノミクス技術と世界最大の微生物ゲノムデータベースをテコに、脱炭素や循環型社会、医療イノベーションへの貢献を通じたバイオエコノミーの実現に貢献していきます。