
bitBiome株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:鈴木悠司、以下「bitBiome」)は、シードエクステンションラウンドのサードクローズを行い、ラウンドを終了しました。
今次サードクローズでは、グローバル投資家であるDarwin Ventures(台湾)、In-Q-Tel(米国)、Valuence Ventures(米国)、IT-Farmなどの複数の新規・既存投資家を引受先とした第三者割当増資及び株式会社UPSIDER Capitalが運営する「UPSIDER BLUE DREAM Fund」をはじめとする金融機関からの融資を受け入れました。また、本期間中にNEDOバイオものづくり革命推進事業などの複数の委託・助成事業に採択されました。これらにより、今次サードクローズにおける調達額(エクイティ、デット、委託事業などのグラントを含む)はおよそ35億円(うち約8割が非希薄的資金)となり、創業からの累計資金調達額は総額およそ70億円(うち約3分の2が非希薄的資金)に達しました。
■ bitBiomeについて
bitBiomeは、データとAIの力で、バイオテクノロジーの新しい可能性を切り拓くAI x BIOの次世代バイオものづくり企業です。独自のシングルセルゲノム解析技術や世界最大級の微生物ゲノムデータベースを生かして生物機能の理解と予測を進め、研究開発から産業応用まで、理想のバイオものづくりを実現します。
これまでに国内外のさまざまな企業と協業し、またNEDOやAMEDのプロジェクトにも複数採択されてきました。
■ 市場背景・社会課題
バイオものづくりは、各国で経済安全保障上の観点から戦略産業として重視されています。また、脱炭素・脱石油やプラスチック廃棄物対策といった地球規模の社会課題を解決するための鍵としても期待されています。日本においてもバイオものづくりは2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会(100兆円市場)を目指す国家戦略「バイオエコノミー戦略」の中心となっており、「合成生物学・バイオ」として政府の「重点投資対象17分野」のひとつにも挙げられています。
バイオものづくりにはコスト、時間、成功率といった課題がありますが、そのおおもとの課題は設計図となる微生物のゲノムデータがまだまだ圧倒的に不足していることです。地球上には一兆種もの微生物が存在するとされていますが、従来活用されてきた微生物データはその0.001%以下に過ぎず、データの蓄積や利活用が進んでいませんでした。
bitBiomeは、独自の微生物シングルセルゲノム解析技術「bit-MAP®︎」により、従来の100倍以上の効率で未培養微生物の遺伝子データを収集し、30億遺伝子を保有する独自のデータベース「bit-GEM」を構築しています。さらに、独自の酵素・菌株開発プラットフォームとAIやロボティクスといったハイスループットのスクリーニング技術を組み合わせることで、従来よりもはるかに高確率、高効率、短期間で目的の酵素・微生物株や最終製品の開発を可能にしています。
■前回の資金調達ラウンド以降の進捗
2025年1月のシードエクステンション・セカンドクローズ以降の約1年4か月間、bitBiomeは「微生物遺伝子データを起点としたバイオエコノミーの実現」を掲げ、経営体制、事業連携、技術基盤のすべての面において飛躍的な進展を遂げました。
1. グローバル展開を牽引するリーダーシップ体制の拡充
世界での事業拡大と、グローバルな事業運営を目的とし、バイオテック・ライフサイエンス業界で卓越した経験を有する3名が経営に参画いたしました(関連PR)。
・Dipnath Baidyaroy博士(CBO:最高ビジネス責任者):グローバルの事業開発、パートナー戦略を主導。複数のバイオテック企業におけるディールメイキングの知見を活かし、国内外のメーカーとの提携を加速させています。
・Aaron Hammons(グローバルビジネス開発責任者 / Pharma and Life Science担当):ライフサイエンス分野の事業展開において豊富なネットワークを保有。製薬業界、ライフサイエンス業界のニーズに基づいたソリューション提案を強化させています。またbit-MAP®︎の海外市場でのプレゼンスを確立しています。
・Richard Fox博士(Head of Innovation):Inscripta社やDuPont Pioneer社において25年以上のリーダーシップ経験を保有。bitBiome独自の膨大な微生物データを活用し、次世代のゲノムバイオロジーモデル(SENS-AI)開発を担っています。
2. バイオものづくりプラットフォームの社会実装と連携強化
研究開発に留まらず、商用生産を見据えた「End-to-End」の支援体制を構築しました。
・バリューチェーンの拡張:アジア地域のCMO(受託生産事業者)との提携により、商用規模での製造体制を確立しています。bitBiome独自のデータベースとプラットフォームを駆使した研究開発支援の強みに加え、製造・供給を見据えた支援体制を構築しました。
・戦略的パートナーシップの拡大:バリューチェーンの拡大を通じ、戦略的協業を一層拡大しています。具体的には、Tojo Vikas Internationalとの連携による新規香料製造事業への参入、共立製薬株式会社や三和澱粉株式会社といった各業界のリーディングカンパニーとの共同研究・開発プロジェクトの推進が挙げられます。さらに、特定の食品成分分野においては、製品供給を視野に入れた戦略的提携も実現しており、当社の技術が幅広い産業分野で活用される基盤が構築されつつあります。これらの協業は、当社の持つ微生物由来の機能性物質探索・生産技術と、各パートナー企業の持つノウハウや販売チャネルとの連携によるシナジー創出を目的としています。
・大型プロジェクト採択:NEDO「バイオものづくり革命推進事業」において、株式会社ベルポリエステルプロダクツとともに「廃プラスチック資源のバイオリサイクルの実現」にて採択されました。また、花王株式会社主導の「未利用バイオマス資源を活用した産業を創出する糖化酵素供給プラットフォームの構築」にも参画し、サステナブルな社会の実現に向けた実装を加速しています。
3. 技術プラットフォームの高度化とAIの融合
bitBiomeの競争優位性の源泉である技術基盤を、定量的・機能的に大幅に進化させました。
・bit-MAP®︎(微生物シングルセルゲノム解析):農研機構らの研究グループ、物質・材料研究機構らの研究グループ、森永乳業株式会社の研究グループからそれぞれbit-MAP®︎を活用した研究論文が公開されました。また、トランスクリプトーム解析サービスを開始し、次世代シーケンサーを活用した解析全般をサポートできる体制になりました。
・bit-GEM(微生物遺伝子データベース):独自技術を駆使した継続的なデータ蓄積の結果、収録遺伝子数は20億から30億超に拡大しました。日本国内に加え、米国でのサンプリングや、共同研究機関を通じたサンプル取得により、遺伝子データの拡張を進めています。
・bit-EVO(菌株開発プラットフォーム):酵素探索・改変プラットフォーム「bit-QED」に加え、代謝経路構築を中心とする新たな微生物菌株構築プラットフォームを開発しました。これにより、酵素単体の設計から微生物の代謝システム全体の設計・最適化まで一貫して可能となり、特定の有用物質を高効率で生産する菌株や、複雑な代謝経路を持つ化合物への対応力が向上します。化学品、医薬品、食品をはじめとする多様な産業分野においてプロダクト開発の可能性が飛躍的に拡大し、バイオ生産の新たな時代を切り拓きます。
・SENS-AI(独自ゲノムバイオロジーモデル):膨大な微生物データを学習した新規AIモデルの開発を開始しました。プロトタイプにおいて従来手法と比較して10倍以上の精度向上を確認。R&Dの成功確率を劇的に改善し、時間とコストをさらに削減します。
■ 資金使途と今後の展望
今回調達した資金は、さらなる「bit-GEM」の拡充とAIプラットフォーム「SENS-AI」の高度化、データ収集の加速化のためのラボ拡張、グローバルでの事業開発体制の強化に重点的に投資いたします。
当社のプラットフォームは既に国際的にも高い評価を受けていますが、今回調達した資金を活用してバイオものづくりに有用なデータ収集を加速化させる予定です。また、プラットフォームを用いた製品の数年後の上市や社会実装を目標に、自社及びパートナーと連携してのバイオ製品開発に取り組んでまいります。さらに、SENS-AIの予測性能の向上を通じて、バイオものづくりの適用可能な製品領域を飛躍的に広げることを目指していきます。
バイオものづくりにおける設計から生産までの全工程をデータ駆動型で最適化し、バイオ産業の発展に貢献します。
■ 今次ラウンドの関係者のコメント
達盈管理顧問股份有限公司 (Darwin Venture Management)
Founding Partner, Simon Fang 氏、Partner, Emily Wu 氏、パートナー今野 寿昭 氏
※Darwin Venture ManagementはDarjiun Venture CorporationのGeneral Partner
我々Darwinは、bitBiome社が合成生物学領域において、世界でも稀有な独自技術基盤を構築している点を高く評価しています。独自の「bit-MAP®」「bit-GEM」「bit-QED」という技術プラットフォームで、微生物という膨大な未活用資源に対し、有用遺伝子の発見から酵素及び微生物生産株開発までの探索・解析・実装を、高い精度とスピードで一気通貫で進められることは同社の大きな競争力です。加えて、合成生物学による複数の製品開発が、顧客需要を見据えて着実に進んでいる点も高く評価しております。今回の出資を通じて同社の成長を継続的に支援できることを嬉しく思います。
In-Q-Tel
Managing Director Olivia Jones氏
We are thrilled to partner with bitBiome. The company has amassed a uniquely diverse microbial database, which combined with its advanced modeling capabilities, gives them an edge in enzyme discovery, engineering, and biomanufacturing. We believe this capability is strategically important, not only for commercial enzyme innovation, but also for advancing the frontier of engineered biology and biosecurity. We’re excited to see bitBiome scale globally.
IT-Farm
ジェネラルパートナー 春日 伸弥氏
応用AIのリーディングカンパニーであるbitBiome社は、独自構築した世界最大のゲノムデータベースを活用して、新発見酵素からバイオ合成を実現するデータドリブン・バイオサイエンスのスケール拡大に取り組んできました。同社は世界初のゲノムAI大規模商用化に向けてバイオ合成を突破口に大規模AIモデル開発を進めており、IT-Farmも27年の歴史をもつ日本初のクロスボーダーVCとして本ラウンドに追加出資を行いました。当社はbitBiome社のグローバルな資金調達と事業開発を引き続き支援して参ります。
UPSIDER BLUE DREAM Fund
株式会社UPSIDER Capital 代表取締役 石神 直樹氏
bitBiome様について私たちが特に注目しているのは、独自の研究開発力と、その技術を産業活用へとつなげていく事業化推進力を併せ持っている点です。微生物のシングルセルゲノム解析から、世界最大規模のゲノムデータベース構築、そして酵素の探索・改変までを一気通貫で支えるプラットフォームを自社で築き上げてきたアプローチは、TechBio領域において確かな独自性を持つものと評価しています。同社が取り組むバイオものづくり領域は、産業活用の可能性が大きく広がる一方で、技術が社会に実装されるまでに長い時間を要する領域でもあります。bitBiome様は、研究開発と事業化の間にある距離を着実に縮めている企業の一社だと考えています。
こうした挑戦に対して、私たちUPSIDER Capitalが果たすべき役割は、資金供給の時間軸を最大限短縮し、飛躍的な成長を後押しすることだと捉えています。同社のさらなる事業成長と、技術の社会実装の加速を、全力で支えてまいります。
Valuence Ventures
General Partner Andrew Hyung氏
We are excited to partner with bitBiome as it builds a foundational data and discovery platform for the next generation of biomanufacturing. By combining proprietary single-cell microbial genome sequencing, one of the world’s largest microbial gene databases, and AI-enabled enzyme discovery and engineering, bitBiome is unlocking microbial biodiversity that traditional approaches cannot reach and turning it into actionable commercial solutions. The company has paired a differentiated technology moat with real customer traction, strong capital efficiency, and a clear path toward products, data licensing, and scalable biomanufacturing applications. We are proud to support Yuji, Dr. Hosokawa, and the bitBiome team as they expand globally and help establish microbial biodiversity as a new infrastructure layer for the bioeconomy.
■bitBiome株式会社について
bitBiome は、地球上の微生物が秘める可能性を最大限に引き出し、バイオエコノミーの
未来を切り拓くバイオものづくり企業です。bitBiome は、独自の微生物シングルセルゲノ
ム解析技術「bit-MAP®︎」を基盤としており、これにより、世界最大規模の 30 億以上の配
列を保有する膨大かつ新規性を備えた微生物データベース「bit-GEM」の構築を実現しまし
た。さらに、バイオインフォマティクス、機械学習、AI技術を活用し、包括的な酵素探索、酵素・代謝経路設計、独自微生物株改変を行うプラットフォームにより、バイオ由来製品の迅速な開発と手頃な製造を可能にしています。bitBiome は、他では実現できないユニークなバイオ製品を提供することで、既存のバイオものづくり産業の高度化と新産業の創出に取り組んでいます。
URL : https://bitbiome.co.jp/