bitBiome株式会社(代表取締役社長:大門 良仁、以下「bitBiome」)は、国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区 以下「国立がん研究センター」)と癌に関連する腸内細菌の解析に関する共同研究契約を2019年11月22日付で締結しましたので、お知らせ致します。
本共同研究は、SCRUM-Japan第三期プロジェクト MONSTAR-SCREENにおける付随研究として、MONSTAR-SCREENに参加された患者さんのサンプルの一部を用いて、腸内細菌叢のショットガンメタゲノム解析およびシングルセルゲノム解析を実施することで、研究にさらなる付加価値をもたらすものです。
特に腸内細菌叢のシングルセルゲノム解析は、bitBiomeによる日本発の技術的プラットフォーム(bit-MAP™)によるものであり、がんと腸内細菌叢の関係において、これまで成し得なかった新種の菌の特定や、株レベルの菌のゲノム配列や機能の違いから臨床上のアウトカムを評価するという、世界的にも新たな試みです。
本体研究で得られる血液を用いたがん遺伝子解析(リキッドバイオプシー)と腸内細菌叢解析(16S rRNAメタゲノム)に、本共同研究の腸内細菌叢解析(ショットガンメタゲノム+シングルセルゲノム)を加えることで、様々な体細胞遺伝子変異を原因とする癌と腸内細菌の関連性について、シングルセルレベルのより詳細な理解を明らかにします。
さらに、本体研究で得られた患者さんの治療経過などの臨床情報との検討を行うことで、免疫療法やその他の薬物治療の効果や副作用と関係のあるバイオマーカーの解明や、新たな治療法の開発をさらに加速させることを目指します。
【SCRUM-Japan第三期プロジェクト MONSTAR-SCREENについて】
国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区、略称:国がん)は、広範な固形がんを対象としたわが国初の産学連携がんゲノムスクリーニングプロジェクトSCRUM-Japan(プロジェクト代表者:東病院長大津 敦)の第三期の研究を2019年6月より開始しました。
研究プロジェクトのうちMONSTAR-SCREEN(Max Onco-Network with STARS-SCREEN))では、従来の消化器がんに加え、肺がんを除く広範な固形がんの患者さんをも対象にし、血液を用いたがん遺伝子解析(リキッドバイオプシー)と腸内細菌叢解析(16S rRNAメタゲノム)を通じて、種々の薬物治療の効果や副作用と関係のあるバイオマーカーの解明や、新たな治療法の開発を目指しています。
【bitBiome株式会社について】
bitBiomeは2018年創業の早稲田大学発ベンチャー企業です。当社は開発したゲノム解析技術bit-MAP™を用いて、世界唯一の微生物を対象としたシングルセルゲノム解析サービスを提供しています。
bit-MAP™は、地球上のあらゆる環境に生息する微生物のゲノム情報をたった1つの細胞から高精度に解読することを可能としました。
本技術によって、従来のマイクロバイオーム研究で必要とされてきた煩雑な単離・培養、あるいは複雑なシーケンスデータの計算処理の必要なく、未知の微生物ゲノム情報を高速かつ網羅的に獲得することが可能となりました。
当社は、本技術を次世代のマイクロバイオーム解析サービスとして提供し、ヒトの疾患と関わる腸内細菌、植物の育成や土壌環境と関与する土壌細菌など、様々な微生物の総合的なエコシステムの解析および個別の微生物の詳細解析を進め、絶え間ない科学的発見を生み出し、知を爆発的に増大させ、豊かな世界を実現します。
詳細については https://www.bitbiome.co.jp/をご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
bitBiome株式会社
TEL: 03-6205-5662
E-mail: info@bitbiome.co.jp