農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門の研究グループより、当社の微生物シングルセルゲノム解析サービス「bit-MAP®」を活用した研究論文「Single-cell Genomic Analysis of Fiber-adhering Rumen Bacteria during an in situ Incubation of Timothy Hay」が、学術誌「Microbes and Environments」に公開されました。
草食家畜である牛の第一胃(ルーメン)には高い嫌気環境を好むルーメン特有の微生物群が共生しており、牧草の繊維を分解・醗酵することで、牛のエネルギー獲得の中心的な役割を担っています。しかし、培養が難しい微生物も多く、繊維分解を担う微生物群の構成や、それぞれの役割、および保有遺伝子の詳細については十分に解明されていません。
本研究では、ルーメン内でチモシー乾草に付着した微生物を対象にシングルセルゲノム解析を行いました。本研究に使用した83個のシングルセルゲノム(SAG)のうち、96%にあたる80個のSAGから16S rRNA遺伝子の回収に成功し、微生物の分類情報と糖質分解に関わる機能遺伝子を結び付けました。
さらに、繊維分解菌であるRuminococcus やFibrobacter に属する既知菌株のみならず、その近縁の未培養株、およびこれまで機能未知であった細菌系統型について、それらが保有する糖質への結合・分解に関わる遺伝子の種類・割合・多型情報を広く取得しました。
本成果は、家畜生産において重要な、飼料消化に関わる未培養微生物の役割の理解や、新たな有用酵素の探索につながることが期待されます。
<掲載論文>
雑誌名:Microbes and Environments
論文名:Single-cell Genomic Analysis of Fiber-adhering Rumen Bacteria during an in situ Incubation of Timothy Hay
著者:Shuhei Takizawa, Miho Fujimori, Takumi Shinkai
所属:農研機構 畜産研究部門
公開日:2026年9月29日
DOI:https://doi.org/10.1264/jsme2.ME26040
当社では、微生物シングルセルゲノム解析「bit-MAP®」に加え、16S rRNA遺伝子アンプリコン解析やメタゲノム解析など、研究目的に応じた解析サービスをご提供しています。未培養微生物の機能解明や有用遺伝子の探索にご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。